シアター&ミュージックギフト発売を記念して、各公演の魅力を紹介

舞台観劇や音楽鑑賞に特化した「シアター&ミュージックギフト」。この度、7月5日の新発売を記念し、収録された鑑賞コースに出演する俳優や監督などのインタビュー記事がスタートします。

初回は、収録体験の一つである、ホリプロステージ舞台鑑賞コースにフォーカス。現在こちらのコースを選ぶと、9月15日(木)の東京公演からはじまる、舞台『血の婚礼』を鑑賞することができます。

舞台ならではの臨場感を味わえる、スペインの官能的な名作悲劇

この舞台は、スペインの劇作家である、フェデリコ・ガルシーア・ロルカ氏による官能的な名作悲劇。実際に起きた事件をもとにして1932年に執筆されました。
舞台はスペイン・アンダルシア地方。家族の期待を背負い、婚約した一組の男女。そこに現れる花嫁の元彼……。一人の女性をめぐり、男性二人が命をかけて闘うという、今の時代に足りない生身の人間の激しい愛が、舞台上で繰り広げられます。

当時の社会環境では許されなかった同性愛者であるロルカ氏。彼が描く、女らしさや男らしさに縛られた悲劇とは……。現代に生きる私たちに、何を投げかけるでしょうか。

本作の演出は、国内外の戯曲をはじめ、スーパー歌舞伎Ⅱ『新版 オグリ』(市川猿之助との共同演出)なども手掛ける気鋭の演出家、杉原邦生(すぎはらくにお)氏。今回の上演のために翻訳も一新し、2022年度版の上演台本を完成させました。

今回は、舞台『血の婚礼』の花嫁役として出演する、女優・早見あかりさんにお話を伺いました。

――花嫁役の印象と、早見さんが感じた本作の魅力を教えてください。

早見さん:
現代の日本に生きる自分としては、花嫁に共感しにくい部分もありましたが、自分の意思で選択し、人を愛する強い気持ちに引き込まれました。観る人が持っているバックボーンによって、それぞれ感じ方がだいぶ変わってくる作品だと思います。
当時の結婚は、幸せに繋がるだけではなくて、女性を縛るものでもあったんですよね。そういった背景による花嫁の心の動きも見どころです。「愛」ってなんだろうと壮大なテーマを深く考えさせられる名作です。

――『血の婚礼』は名作ですが、その分、ハードルが高い印象を受けるお客様も多いかもしれません。弊社の「シアター&ミュージックギフト」をプレゼントされたことがきかっけで、初めて観劇を体験するという方に向け、初心者だからこそ楽しめるポイントがあれば教えてください。

早見さん:
これまで映像の中で平面でしか見たことがない俳優たちが、生の舞台の上で、実際に動いているというのは、見方や感じ方がガラリと違ってくると思います。役者が芝居にかける情熱やエネルギーがダイレクトに伝わると思うので、これは役者にとってもうれしく、双方にとって価値があることです。

映像には映像用のカット割りがあり、制作側が意図するカットをそのまま観る。でも演劇の場合は、観る側の意思に任されていて、どこを観てどう感じるかは自由です。セリフを話している役者を観ても、それを聞く相手役でも、衣装でも、目をつぶって聞こえるセリフと音楽に聞き入ってもいい。そこが舞台の面白さだと思います。
今回の舞台は、描き下ろしの生の音楽演奏や、歌やダンスもあって盛りだくさん。いろいろな要素が詰まっているので、舞台ビギナーさんもきっと楽しめると思いますよ。

――ありがとうございました。

<プロフィール>
早見あかり(はやみ・あかり)

東京都出身。女優。2014年、NHK連続テレビ小説『マッサン』の主人公の妹役として出演。同年、映画『百瀬、こっちを向いて。』で初主演。ドラマや映画、CMなどのほか、バラエティーにも出演するなど活躍の幅を広げている。最新の出演作は、2022年5月公開映画『シン・ウルトラマン』がある。

取材・構成 吉田明乎

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